開発者が語る、新しい"8"

2009年春に発売する「サイボウズ Office 8」と「サイボウズ デヂエ 8」。製品発売までの間、開発者担当者が順番にこだわりの"8"新機能を、紹介していきます。

Office 8・デヂエ 8 プロダクトマネージャー 山田祥司

最終回は「サイボウズ Office 8」、「サイボウズ デヂエ 8」両製品のプロダクトマネージャー山田にインタビューした。

山田は「サイボウズ Office 7」から2バージョン続けてプロダクトマネージャーをつとめた。 「お客様に使い続けていただくこと」の実現のために、様々な面から支援することがプロダクトマネージャーにとって一番大切なことだと考え、日々製品企画に当たっている。

システム管理者の方が利用者から
"ありがとう"と言ってもらえる製品を目指した

− バージョン 8では「Office」と「デヂエ」の連携が大幅に強化されましたがこれはプロダクトマネージャーが兼任だったことが大きいのでしょうか?

「Office 8」は2007年12月、「デヂエ 8」は2008年1月に製品企画を開始したのですが、当初は別製品としてそれぞれ機能強化する予定でした。
正直に言うと、このように連携を強化したのは(社長の)青野に怒られたことがきっかけだったのです。
その時に、1つ1つの製品で効率化するのではなく、より総合的なシステムとして大きく捉えないといけない、と気づきました。
バージョンを「8」に揃えたのも、お客様にとってのわかりやすさを優先したためです。

− 「Office 8」、「デヂエ 8」を企画するにあたって大切にした思いなどはありますか?

前回の「Office 7」ではシステム管理者様自身が便利になることを中心に機能強化しましたが、「Office 8」や「デヂエ 8」では管理者様が利用者から"便利になったね""ありがとう"と言ってもらえるような製品を目指しました。
また、「デヂエ 8」はとても便利なソフトだと自分自身感じているので、もっと多くのお客様に使ってもらいたいと思っています。

− その思いを実現するために、開発時に気を付けたことはありますか?

開発要件を決める際、製品のサポートに長く携わったメンバーに初めから入ってもらったことが大きいですね。
今までは開発サイドで要件を決めて、ヒアリングをするという方法を取っていたのですが、今回は意志決定にも参加してもらいました。

これは、バージョンアップ間隔が開いたこともあり、開発者とお客様の間に距離ができてしまっているのではないかと考えたことがきっかけです。
また、「デヂエ 8」は松山オフィスで新しいメンバーが開発に当たりました。
新しいメンバーもお客様からのご意見に耳を傾けることで、自分が欲しいものではなく「お客様にとって役に立つもの、使っていただけるもの」を作らなければいけないということを、感じ取ってもらえたのではと思います。

機能強化が思わぬ仇に?!
社内運用テストとクロス集計

− サイボウズ製品はリリースする前に必ず社内運用テストを行い、不具合や要望を「評価箱デヂエ」で受け付けますが、今回もかなり多くの登録がありましたね。

はい、頻繁に使っているメンバーがテストするので社内運用は欠かせないですね。
また、研究開発を専門に行う「サイボウズ・ラボ」からも第三者視点から意見をもらえたので参考になりました。

− ただ、新機能の"クロス集計"によって社長から思わぬツッコミを受けたとか。

はい、登録された不具合や要望に対応したかどうかを、クロス集計機能を使って登録者ごとに見られるようにしたのですが、 ひと目で「採用率」がわかってしまって「僕の要望は他の人よりも採用されていない!」と青野からつっこまれてしまいました。
言い訳をすると、青野からは不具合ではなく要望の登録が多いので次回のバージョンで対応することが多いのですが・・・

クリックで拡大表示

実際にサイボウズで使っている「評価箱デヂエ」のクロス集計画面。
登録者ごとに、自分が登録した要望の対応状況がわかる。

出会ったばかりの「Office 8」と「デヂエ 8」。
よりいっそう繋がりを強化したい。

− 最後になりますが、「Office 8」と「デヂエ 8」の将来像を教えてください。

記者会見などでは"「Office」と「デヂエ」の結婚"と表現しましたが、実際にはまだ出会ったばかりかなと思っています。
お客様に使っていただけるかによって、この先結婚できるかどうかが決まると思います。
また、この先「Office 8」と「デヂエ 8」、さらには「メールワイズ」などの連携をもっと強化していきたいですね。